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音楽理論通信講座 無料体験レッスン

 

このページでは、音楽理論通信講座のテキストの一部をご紹介致します。
(無断転用はご遠慮願います)


Lesson 1: 和音
Lesson 6: サブコード・同主調
Lesson 10: コードテーブルを活用したコード進行及び転調分析

 

Lesson 1 和音

 


これから音楽理論のレッスンを始めていきます。今回と次回の内容がこの講座で一番大切な部分になります。基礎的な内容ですがしっかりと把握して下さい。

 

まず、音楽にはどの曲にも必ず「外見・顔」と「骨組み」が存在します。

「外見・顔」にあたるのがメロディ(旋律)、「骨組み」にあたるのが和音進行とリズムです。骨組みは「柱」とも言えるでしょう。曲を構成する大事な柱が和音進行とリズムなのです。

 

さて、和音とは何でしょう?

和音は「同時に鳴っている2つ以上の音の総体」ですね。つまり何でもいいですから2つの音を一緒に出せば、それが和音です。

先程、和音進行が曲の柱となると書きましたが、ここでいう和音は2つでなく3つ以上の音の集まりである必要があります。

音が3つ以上同時に鳴る場合、その和音にはある特有の「性質」が生まれます。この性質こそが音楽を構成する最小単位の「分子」であると言えます。

例えば、明るい曲、寂しい曲・・・音楽にはそれぞれ特徴がありますが、この特徴を生み出しているのが和音進行なのです。(楽譜1〜8小節目参照) (注:実際のレッスンでは、このテキストのほかに楽譜が付いております。)

 

それでは和音についてもう少し詳しく見ていきましょう。

3つの音が同時に鳴る和音を「三和音」と呼びましょう。この三和音は大きく二種類に分類出来ます。「長和音」と「短和音」です。

長和音は「メジャーコード」とも呼びます。この長和音の特徴は、人の耳に心地よい明るい響きであると感じさせる和音、となります。

一方、短和音は「マイナーコード」とも呼びます。短和音の特徴は、人の耳にもの悲しい響きであると感じさせる和音であるということです。

簡単に言うと、長和音は明るい響き、短和音は悲しい響きを持つ和音となります。

今後、長和音を「メジャーコード」、短和音を「マイナーコード」と呼んでいきます。まずはこの言葉に慣れて下さい。

 

それではメジャーコードとマイナーコードについて、その構成を調べていきましょう。

(〜中略〜)

 

先程、和音は三つ以上集まって初めて性質を帯びるという内容を書きましたが、その理由はもうお分かり頂けると思います。音が二つだけの和音では、それがメジャーコードなのかマイナーコードなのか決められませんね。例えば「ド」と「ソ」の和音の場合、間に「ミ」が入ればメジャーコードになりますし、「ミ♭」が入ればマイナーコードになりますが、「ド」と「ソ」だけではどちらか分かりませんね。

楽譜を見て、メジャーコードとマイナーコードを確認して下さい。音楽を構成する和音はそれぞれ12個、合計24個あるわけですね。(楽譜参照)

 

これからのレッスンで目指す事は、これら24個の和音の使い方をマスターするという事になります。和音をどう繋げていけばいい曲が作れるのか・・・色々なルールがありますが、少しずつ説明していきますので、ついてきて下さいね。

 


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Lesson 6 サブコード・同主調



それではいつもと同じように、まず今までの内容をおさらいしましょう。



ホームコードと関係の深い、すなわち和音接続が可能な和音としてここまでのLessonで出てきた5種類の和音(4の和音、5の和音、平行調のホームコード、平行調の4の和音、平行調の5の和音)は、ホームコードと共に曲の中で通常使われる和音です。これらの和音を「レギュラーコード」と呼びましょう。

Lesson 2で、音楽は安定した響きと不安定な響きを繰り返して構成されるものであることを述べましたが、ここで言う「響き」を造り出しているのが和音ですね。



上記レギュラーコードを、安定か不安定かで分類しますと、

[A] 安定した響きを造り出す和音・・ホームコード、平行調のホームコード
[B] 不安定な響きを造り出す和音・・4の和音、5の和音、平行調の4の和音、平行調の5の和音


ということになります。

つまり基本的には音楽はホームコードで始まり、不安定な響きを出す場面で[B]グループの和音のいずれかを、安定な響きを出す場面で[A]グループの和音のいずれかを任意に使い、最後はホームコードで終わる、という和音進行になります。(ただしここでは転調を考慮しておりません。)



ここで、「安定」と「不安定」の意味を確認しておきましょう。


(〜中略〜)



また、和音の「安定」、「不安定」といった働きは専門的には「機能」と呼ばれる範疇に含まれます。
ハ長調に於ける「Cメジャーコード」の機能はトニックである、というような使い方をします。そして、和音の「機能」を観点に和音進行を理論化したものを「機能和声」と呼んでいます。

(〜中略〜)




さて話を戻しまして、レギュラーコードのほかにもホームコードと仲の良い和音はあります。

「レギュラー」ではないのですが、時々出番が回ってくる「サブ」、「脇役」の和音です。これらの和音を「サブコード」と呼びましょう。

サブコードはレギュラーコード程の仲良しではなく、ごく稀に会う程度の仲の和音です。
つまり和音進行に於いて少ない頻度で使われる和音というものです。

脇役は、主役を引き立たせる影の功労者。この種類の和音が使われると、それまでの曲の流れが
持っている雰囲気が微妙に別のものに変わります。サブコードが和音進行の中でのスパイスのような役目となり、曲にめりはりが生まれることになります。

この、和音進行に独特の深みをあたえる「サブコード」ですが、ホームコードとそれほど深い仲ではありませんので、安易に接続させることが常に出来るわけではありません場合によってはこの種の和音を使うことで、その部分の響きが不協和音のように聞こえてしまうこともあるのです。

個々の音の移動に十分配慮をした上でそれらの和音へ繋げないと自然な和音進行に聞こえない程度
の弱い関係なのです。



上記に述べました「サブコード」は、大きく3つに分類出来ます。それらは、


同主調のホームコード・4の和音・5の和音
属調の5の和音(ドッペルドミナント)
下属調の4の和音



の3種です。このLessonでは一番上のものについて見ていきましょう。



(〜中略〜)



そしてこれらの機能については、同主調のホームコードは安定した響きを造り出す和音同主調の4の和音と5の和音は不安定な響きを造り出す和音となります。

ただし、同主調のホームコードが安定した響きを生むといっても、先ほど述べましたように雰囲気が微妙に違う中での安定した響きです。長調の場合はマイナーコードが、短調の場合はメジャーコードが使われるのですから無理も無いですね。

同主調の4の和音や5の和音は、不安定な響きであると同時に曲の雰囲気が変化するため、和音配置を繊細にすることで和音進行に大きな影響力をもたらす和音です。



また、同主調のホームコードや4の和音、5の和音を使ってしまうと、その後、元のホームコードには戻れない場合が多い、ということも大きな特徴です。

これらの和音を使うと、同主調のホームコードを仮のホームコードではなく本当のホームコードとして同主調へ転調することが多いのです。

平行調の基本和音セット(ホームコード、4の和音、5の和音)へ移動した場合は、また元の調・ホームコードへ戻ることが容易に出来るのですが、同主調の基本和音セットは、使うと曲の雰囲気に変化を与え曲の調を奪いかねない、そんな和音なのです。その性質こそが、余り多く使われない所以とも言えるでしょう。



本質的にホームコードは転調されることを嫌がります。転調されてしまうと、ホームコードとしての地位を失うからですね。それでホームコードとしては仲の良い、安全な和音と一緒にいたがるのです。

しかしそれでは曲が平凡になり易くなってしまいます。そこで作曲者が同主調の基本和音セットなどの「サブコード」を刺激として取り入れると、聴き手に新鮮な響きとして伝わり、更にその強い働きかけが曲の中で調を変えるというビッグイベントを、聴き手に違和感を与えることなく起こすことが出来るのです。

一時的に聴き手の和音進行構成にゆらぎを与えたすきに転調をすれば、聞き手が注意深く分析をしながら聞かない限りは、転調したことを感じ取られずに自然に転調出来るのです。

つまりサブコードは転調元のホームコードと転調先のホームコードを繋ぐ橋渡しの役目を担えます



このように、同主調の基本和音セットは、転調される危険性を孕みながらも曲に新鮮感やめりはりを与える効果的な響きを生むものとして、利用価値が高い和音なのです。

同主調を制することが、作曲や編曲に磨きをかける重要なステップとなります。




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Lesson 10 コードテーブルを活用したコード進行及び転調分析



ここでは、付録のコードテーブルを用いた具体例なコード進行の分析方法について解説致します。楽曲の調や転調の有無を調べたり、転調がある場合の転調位置の判断および繋ぎ目の和音のそれぞれの調に於ける機能などを調べる際には、このコードテーブルを参照することで、頭の中で考えたり、和声記号を使うよりもずっと理解しやすくなりますので、是非参考にしてみて下さい。


具体例として、ボサノバの名曲「イパネマの娘 (The Girl From Ipanema)」のBメロを取り上げてみます。

「イパネマの娘」のBメロはDメジャーコードから始まります。最初にBメロ(1番)のコード進行を書いておきます。

[ DM7-G7-Dm9-Bb7-Ebm9-B7-Fm7-Bb7(b5)-Ebm7-Ab7(b5) ]

コード進行のマクロ的な機能分析では、コードのテンション部分は無視し、骨格部分を用います。そのため、もう一度コード進行の骨格を並べてみます。

[ D-G-Dm-Bb-Ebm-B-Fm-Bb-Ebm-Ab]


では、コードテーブルを使いながら、このコード進行を詳細に分析してみましょう。

Bメロ最初のコードはDです。コードテーブル(♭1)で、下から二段目、左から五番目のDに○を付けて下さい。

この曲は変ニ長調(Db)ですので、Bメロはまず半音上への転調から始まります。つまり、この時点で調はニ長調(D)、そのホームコードDが使用されている、という事になります。

次はGです。Gに○を付けて下さい。つなみにコードテーブルでは、左の列は4の和音、つまりサブドミナント系列、右側は5の和音、つまりドミナント系列です。

その次はDm。同じくDmに○を付けます。Dmは最初のDと同じ列ですので、同じ機能を持ちます。つまり、このDmはDと同様、トニックです。ニ長調(D)から見ると、Dmは同主調のホームコードですね。

と、ここまでは普通のコード進行です。ここからが面白いところで、コードテーブルに表すとそのユニークな特徴が見えてきます。

4番目、Bbに○を付けて下さい。コードテーブルをDmから見ると、Bbは平行調の4の和音である事が分かりますね。このBbと最初のDの位置関係から、Bメロはこの段階で既にニ長調(D)からニ短調(Dm)に転調している可能性がある事が見て取れます。実際にその後の動きから、Bメロはニ長調(D)で始まり、2番目のGを介して3番目のDmでニ短調(Dm)に転調していると判断できますが、コードテーブルによってこの事が視覚的に分かります。

話を少しそらしますが、多くの場合、楽曲が転調する際は、転調の繋ぎ目のコードが存在します。この繋ぎ目のコードは、転調前と転調後のそれぞれから接続可能なコードです。ここでは、最初のニ長調(D)からニ短調(Dm)への転調の場面で、Gがその繋ぎ目のコードになっています。

そして、なぜここでニ短調(Dm)に転調したと判断できるかというと、それはその後に調がニ長調に戻っていないからです。つまり、D-G-Dmと続いたあと、もし例えばA-Dなどと続けば、これらをひとまとめにしてニ長調(D)のカデンツであると考える事ができますので、この場合はニ短調に転調したとは言いません。一時的に同主調のホームコードが使用されていたに過ぎず、これは借用和音の一つの用法です。しかし、この「イパネマの娘」では、D-G-Dmのあと、二度とニ長調(D)には戻ってきません。従って3番目のDmは、2番目のGが繋ぎ目の和音となってニ短調(Dm)に転調したそのホームコード、という事になるのです。

話を戻しまして、4番目のBbは、ニ短調(Dm)に於いて平行調の4の和音ですので、ここまでの機能を整理しますと、T→S→T→Sとなります。(T=トニック、S=サブドミナント)


次に行きましょう。次はEbm、同じくEbmに○を付けます。ここでアッと思う事でしょう。
さっきと同じ事を繰り返しているのですね。同じ事とは、つまりサブドミナント系列への進行です。先程は平行調の4の和音への進行でしたが、今回は同主調の4の和音への進行です。T→S→T→Sと来て、もう一度Sが来ました。まとめると、T→S→T→S→Sです。

3番目のDmから5番目のEbmまでの3つの和音の配置をコードテーブルで見ると、4番目のBbがその中心にあることが分かります。つまりこの範囲の調は変ロ長調(Bb)で、Bbは直前のニ短調の世界では平行調の4の和音として使われていますが、これが同時に変ロ長調のホームコードとなり、次に同主調の4の和音であるEbmへの橋渡しとなっています。


ここまでを振り返りますと、Bメロはまずニ長調(D)で始まり、3番目のDmでニ短調(Dm)、
4番目のBbで変ロ長調(Bb)に小刻みに転調している事がわかります。


「イパネマの娘」ではさらに転調を続けていきます。5番目Ebmに続く6番目の和音はBです。このBも同じく○で囲みましょう。なんとここまで一直線ですね。先程と同じですので、今度はご自身で分析してみましょう。このコードテーブルを使えば、このように簡単に分析ができるのです。

一応解説致しますと、先程のDm-Bb-Ebmと同様、このBb-Ebm-Bに於いても、EbmがBb-B軸の中心にありますので、この進行間に於いてはEbm をホームコードとする変ホ短調(Ebm)になっているという事になります。また、別の言い方をすれば、ここでBが使われているのは、ここでBを使っても良い状況にあるからであり、もし変ロ長調(Bb)のまま転調していなければ、その状況ではBは接続可能エリア外になってしまいます。Bに繋げるためには、Bが接続可能エリア内に含まれる調に転調していなければなりません。そうした視点からも、ここではEbmで変ロ長調(Bb)から変ホ短調(Ebm)への転調がされている、と言えるわけです。

つまり、ここでは複数の機能を帯びた和音が連続して使用されており、これによって連鎖的な転調が起きています。転調をするために利用した和音が、今度は転調されるために利用されている、という事です。具体的には、ニ短調(Dm)を変ロ長調(Bb)に転調させるために利用したBbが、今度は変ホ短調(Ebm)へ転調するために5の和音として利用された、という事です。


ここまでの機能をまとめますと、T→S→T→S→S→Sと、なんとサブドミナントが3つ連続しているのです。しかも全て異なる和音での連続です。これはこの世に無数にある楽曲の中でも大変珍しいと言えるのではないでしょうか。

この珍しさは、コードテーブル上のコードの軌跡をみても明らかです。これまでクラシックから現代音楽まで数多くの楽曲のコード進行を分析してきましたが、このような形を取るのはおそらくこの曲ぐらいのように思います。

コード進行の分析は、従来通りの方法も勿論可能ですが、コードテーブルを使用することにより、コード進行に伴う機能の変化を視覚的に、大局的に把握することができます。さらに、コード進行の軌跡が図示されたコードテーブルは、一種の楽譜としても使用できます。また、任意の調に移調する際はこの軌跡をそのままスライドさせればよく、移調の際のコード変換にも便利です。


さて、このような進行はユニークでありとても面白い半面、こんなに小刻みに転調を繰り返していては、同じ和音の機能が常に複数存在する状態が続く事になりますので、和音の機能自体が消失してしまうリスクが伴います。和音は機能があるからこそ進行できるのであって、和音から機能が無くなる事は音楽としてのエネルギーを失う事になります。

ということで、Bメロの後半は、前半の勢いの付き過ぎた不安定気味なコード進行を落ち着かせるための方策が取られています。ドッペルドミナント、ドッペルサブドミナントも使われています。それを見ていきましょう。

〜以下、体験レッスンでは省略致します。〜






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